チーズといえば、食卓でもおなじみの食材です。
本場のヨーロッパに比べれば
消費量もこだわりも比較になりませんが、
それでも朝食を中心によく使用するものです。
朝食・昼食をパンで済ませている人はもちろん、
ちょっとした軽食の際にもチーズは役立ってくれます。
ただその一方、脂肪分が多いため
食べすぎは良くないとも言います。
脂肪の蓄積が気になる人にとっては、
チーズは避けた方がよい食材
というイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、じつはこのチーズが痛風対策に
役立ってくれるのです。
痛風の人の食生活の改善が難しいのは、
世間一般の理想的な食生活とは
かなり異なる点があることです。
まして痛風は昔から美食の人がなる
ぜいたくな病気というイメージが強く、
肥満との関係がよく指摘されるものです。
そのため痛風対策に尿酸値のコントロールを
目指す場合には、まず
食事とアルコールの量を減らすことと、
低カロリーを意識します。
簡単に言えば低カロリーで栄養がしっかり摂れる食品を
優先して摂取していくというわけです。
この意識が強くなると
ますますチーズは脱落してしまいがちになりますね。
ただ、低カロリーで栄養バランスに優れているから、
といって尿酸値のコントロールにも役立つとは限りません。
その代表例がレバーと大豆製品。
どちらもヘルシーな食材として必ず挙げられますが、
痛風の人にとっては、ブラックリストの
トップクラスにも挙がる食材でもあります。
プリン体の含有量が多いため、
食べ過ぎると尿酸が増えてしまい、
尿酸値の上昇、さらに痛風の発作のリスクが高まるわけです。
チーズは逆のパターンといえるでしょう。
世間一般的にはあまり食べ過ぎるのは
望ましくないと思われている一方、
痛風対策には非常に優れているのです。
その理由のひとつがプリン体の含有量の少なさ。
その含有量は100グラムにつき5.7ミリグラム。
数ある食品の中でもトップクラスの少なさです。
そもそも原料となる牛乳には
プリン体が含まれていませんから
当然といえば当然なのですが。
ですからご飯と納豆のように大豆製品を使用した献立よりも
パンとチーズ、牛乳の方が尿酸値のコントロールの点では
よりよい選択肢となるわけです。
プリン体の含有量だけが理由ではありません。
原料の牛乳には尿をアルカリ性へと傾けさせることで
体内の尿酸を溶けやすくし、
尿として排泄しやすくする作用があります。
体が酸性に傾いていると尿酸が溶けにくくなるため、
同じプリン体の含有量でも尿酸値が高くなってしまうのです。
チーズにも牛乳と同様の効果が期待できますから、
この点でも痛風対策に役立つわけです。
こうしたわけで、痛風の人は
チーズを積極的に活用しましょう。
もちろん食べすぎには要注意。
逆に大豆製品も健康に良いわけですから
まったく食べないのは問題です。
要はバランスの良い食生活を心がける
という結論になってしまうわけですが、
チーズの効能については知っておいて
損はないと思います。
痛風で、あれを食べてはいけない、
これを食べてはいけない、というものが多いので、
ぜひ食べましょう、という食品が出てくると、
なんとなくホッとしますね。