田七人参という、
高麗人参の縁戚に当たるような
中国で古来から使われてきた生薬には、
サポニンという成分が含まれています。
高麗人参にも含まれている成分ですが、
高麗人参と比較すると実に7倍もの
サポニンが含まれているといいます。
サポニンには
いくつかの効果が期待されているのですが、
その中の一つに抗炎症作用があるとみられています。
実はサポニンと抗炎症作用の関係に関しては、
ある実験で立証されています。
アヒルの中でもアヒル型B型肝炎ウイルスを
持っている個体を対象にして、
3つのグループに分けました。
それぞれ田七人参と漢方薬の一つである猪苓多糖、
抗ウイルス作用を持つ薬を
投与しました。
そして血液検査を行って観察し、
肝臓の摘出をして炎症の状態を検査しました。
その結果、田七人参を投与したグループは
血液中のウイルスや肝臓内のウイルス抗原が
ともに減少しました。
ただし、ほかの2つのグループにも
この現象は確認でき、田七人参は
3つのグループの中でも抑制の度合いが
軽度であったことも確認されました。
しかし、肝臓の摘出を行ってみたところ、
ウイルスによってもたらされた炎症の抑制の度合いが、
3つのグループの中でも
田七人参が最も顕著に現れていることがわかりました。
ウイルスを排除する力は
ほかの2つと比較すると劣るものの、
傷ついた肝臓の炎症を抑える力は
とても優れているという結論になりました。
ちなみに、アヒル型B型肝炎ウイルスは、
人間のB型肝炎ウイルスに似ています。
その意味では、B型肝炎に罹患している人に
田七人参を投与すれば、
肝炎の改善に効果が期待できるわけです。
また、C型肝炎にかかっている人も
田七人参を摂取することで、
症状を抑制できるのではないかとみられています。
肝炎の場合、炎症を食い止めることが何よりも大事。
炎症が広がれば、それだけ多くの細胞が
破壊されるわけです。
炎症を食い止め、少しでも
健康な細胞を温存することが
より早く肝臓の機能を回復するために
重要なことといえます。
つまり田七人参には、肝炎に侵された肝臓を
正常な状態に戻して低下した機能を回復する効果が
期待できます。
そして、このサポニンの持つ抗炎症作用は、
痛風発作に対しても効果が期待できる
として注目されています。
痛風とは風に当たっても痛いと表現される症状で、
とにかく関節に強い痛みの走るのが特徴です。
何の予告もなく、ある日突然発症するといわれます。
そもそも、なぜ痛風発作を引き起こすかというと、
尿酸が関係しています。
尿酸とはプリン体を分解するときに出てくる
老廃物の一種です。
通常は尿として排出されていて、
一定の量に保たれています。
ところが生活習慣の乱れやストレスが
過剰に溜まった状態が続くと、
尿酸の排出が追い付けないくらいに
盛んに尿酸が体内に作られます。
通常血液の中に尿酸は溶けて全身を流れているのですが、
あまりに増えすぎると尿酸が結晶化してしまいます。
結晶化した尿酸は関節に沈着しやすくなって、
ある時に炎症を起こします。
これが痛風の激痛をもたらすわけです。
田七人参に含まれるサポニンには、先ほども見たように
炎症を抑え込む作用があります。
このため、もし、結晶化した尿酸が
関節に沈着したとしても、
炎症を引き起こさないように作用してくれるので、
発作の起きるリスクを軽減できます。
また、もし痛風発作が起きたとしても、
抗炎症作用によって症状の悪化を食い止める効果も
期待できるわけです。
もちろん痛風対策をするためには、尿酸値を低くする、
そのためには生活習慣の見直しをすることも大事です。
しかしさしあたっての発作の脅威を抑え込むためには、
田七人参を有効活用することも一つの手法といえます。
尿酸値が高めと医者に指摘された人は、
さっそく田七人参を試してみる価値があるかもしれません。