2022年3月14日月曜日

痛風にアンセリン ?

痛風の予防や治療に効果が期待できる

ということで、

アンセリンという成分が注目されています。


アンセリンと聞いても、一般には

まだあまりなじみがないかもしれません。

アンセリンとは、βアラニンとメチルヒスチジンと

呼ばれる2種類のアミノ酸が結びついている構造をした、

ペプチドの一種です。

もともと動物の筋肉の中に含まれている成分で、

マグロやカツオ、サケ、サメ、鳥類の筋肉に

多く含まれています。

マグロやカツオというと、長距離を高速で

回遊できる能力を有しています。

このすぐれた運動能力の鍵を握る成分ではないか

ということで研究が進められているのです。


アンセリンが注目されるようになったのは、

疲労回復効果が期待できる

といわれるようになったからです。

回遊魚のように長距離を移動するには、

タフなスタミナが要求されます。

そのカギを握っているのが、アンセリンというわけです。

私たちはストレスや生活習慣、激しい運動などをすると

活性酸素が体内に溜まりやすくなります。

活性酸素は私たちの細胞を攻撃して、

老化を進めるといわれています。


このため、

抗酸化作用の効果が期待できる成分の含まれた

サプリメントや健康食品が人気なのです。

実はアンセリンにも

活性酸素を除去する優れた抗酸化作用がある

といわれています。

このため、細胞の老化や疲労を防ぎ、

長時間運動をしても疲れないだけの体質を獲得できるのです。


疲労回復効果の他にも、アンセリンには

痛風予防効果もあるのではないかということで

注目されています。

体内に尿酸が過剰に溜まりすぎると、

血液に溶けきれなくなることがあります。

そうなると尿酸が結晶化してしまって、

トゲトゲの物質になります。

この結晶化した尿酸を異物とみなして白血球が攻撃をするから、

激痛を引き起こすわけです。


アンセリンがなぜ痛風の予防効果があるかというと、

体内に入ると酵素の量を増やすから。

酵素が体内に増えると、

尿酸が過剰に産生するのを妨げる効果があります。


そしてもう一つ、アンセリンには、

乳酸の代謝を促進する働きもあります。

乳酸の代謝を進めると、尿酸の排出も

高められるといわれています。

このため、尿酸を作りにくくして、かつ、

体内にできた尿酸はどんどん排出できるので、

体内の尿酸の量は少なく保てるというわけです。

すなわち、痛風発作の起きるリスクも少なくできます。


アロプリノールという、

尿酸値を降下させる作用のある医薬品があるのですが、

実はラットを使った実験によると、

アロプリノールよりもアンセリンの方がより

尿酸値を低下させられたというデータも出ています。

しかも緩やかに低下するという実験結果も出ています。

急激な尿酸値の低下は危険とされているので、

アンセリンはより安全に尿酸値を正常に戻し、

痛風の予防や治療に使えるのではないかと

期待されています。


ですが、アンセリンはあくまで

医薬品ではなく、健康食品という立ち位置ですので、

病院の治療および、プラスアルファとしての

利用が望ましいのかもしれません。