クエン酸という成分は、私たちが
日ごろ口にする食べ物の中に
いくつか含まれています。
多いのは、レモンやグレープフルーツ、オレンジ
といった柑橘系の果物や梅干です。
いずれも共通しているのは、
酸味の多い食べ物であるという点です。
実は、この酸味を構成している成分こそが、
クエン酸なのです。
酸っぱい食品は、疲労回復に効果があるというのを
聞いたことはありませんか?
これは決して都市伝説のようなものではなく、
科学的にも証明されていることなのです。
酸味成分のクエン酸には、
筋肉や神経の疲労回復に効果があるといわれています。
このため、スポーツをする人やアスリートの中には
クエン酸のサプリメントを日頃
摂取しているという人も多いです。
クエン酸というので、一見すると
酸性の成分のイメージを持つ人もいると思います。
確かにもともと酸性なのですが、体内に入って分解されると
アルカリ性になるという特性を持っています。
実は、このアルカリ性になることが、
痛風に対して効果があるのです。
痛風とは、足の関節などに激痛をもたらす症状のこと。
風にあたっても痛いと書きますが、この表現は的確で、
症状を発症してしまうと
激痛で何も手につかなくなるという人が多いのです。
なぜ痛風になるかというと、体に尿酸という老廃物の一種が
過剰に溜まってしまうことが原因です。
尿酸がたまりすぎると結晶になってしまって、
関節に沈着します。
この時関節に炎症を引き起こすので、
先ほど紹介した激しい痛みが起きるわけです。
つまり尿酸をいかに体内にためないようにするかが、
痛風対策の基本となるわけです。
そして尿酸を排出するにあたって、
重要な役割を果たすのがクエン酸なのです。
尿酸を排出する方法としては、尿による排泄が一般的です。
ところが尿酸は酸の一種なので、酸性になっている尿の中には
なかなか溶けださない性質があります。
痛風患者の中には、
強酸性の尿になっている傾向が見られます。
これではいくら排尿量が多くなっても、
尿酸の排出はスムーズにいきません。
そこで、アルカリ性の尿に変えるにあたって
重要なのが、クエン酸です。
先ほども紹介したように、クエン酸には分解されると
アルカリ性になる働きがあります。
このため、尿のアルカリ化を促す作用があるのです。
尿のアルカリ化が進むと、
尿に尿酸がより溶けだしやすくなって、
尿酸をより効率的に体外へ排出できるようになるわけです。
痛風患者に対して、医者の中には
ウラリットという薬を処方することが多いです。
ウラリットには尿酸の排出を促し、
尿酸値を低くする効果があります。
このウラリットには、
クエン酸塩が主成分として配合されています。
この事実だけ見ても、いかにクエン酸には
痛風への効果があるかがわかります。
痛風の治療の他にも、予防するときにも使える成分といえます。
生活習慣の乱れている人、特に普段運動をしない、
肉料理ばかり食べていて
野菜をあまり食べない、アルコールを多量に飲む人は
尿酸値が高くなる傾向があります。
その分、痛風対策をきちんと行う必要があるわけです。
クエン酸が多く含まれている食品は、
先ほど紹介した柑橘系の果物や梅干の他にも、
お酢も挙げられます。
酢の物をできるだけ多く食べるようにするとか、
黒酢やもろみ酢のような飲めるお酢も販売されています。
このような食材を使ってみるのもいいです。
しかし、毎日酸っぱい食品を食べ続けるのも味に
飽きてしまいます。
また、酸っぱいものが食べられないという人はいませんか?
そのような人はクエン酸の配合されているサプリメントも
数多く販売されているので、こちらを使って
クエン酸を摂取してみましょう。
水があればどこでも摂取できますし、
ほとんど酸っぱさを感じないように製造されているので、
酸っぱい料理が苦手な人でも安心して摂取できると思います。