痛風に悩む人の間で注目されているのが、
アンセリンという成分です。
β-アラニンとメチルヒスチジンという
2種類のアミノ酸が結合した成分で、ペプチドの一種です。
研究が行われた結果、尿酸値の降下作用のあることがわかり、
注目されるようになりました。
痛風の発作は、尿酸が体内に過剰に溜まることから発症します。
尿酸が結晶化してしまって、関節に付着します。
そして、その結晶を異物とみなした白血球が攻撃を仕掛けます。
このため炎症が起こり、痛風発作の激痛を伴うのです。
アンセリンには、2つの側面から
尿酸値の上昇を抑制する効果が期待されています。
まず尿酸が産まれるのは、
プリン体という成分を分解する過程の中の言わば副産物です。
アンセリンには、プリン体を再合成して
再度利用する酵素を増やす働きがあります。
プリン体を分解しないので、
尿酸が産まれにくくなるわけです。
そして もう一つ、
乳酸の代謝を進める酵素を増やす働きもあります。
尿酸は尿として主に排出されるのですが、
乳酸が体内に過剰に溜まってしまうと
尿酸をスムーズに排泄できなくなります。
乳酸を分解する働きのある酵素が増えることで、
尿酸の排泄がスムーズになって、
こちらの側面でも尿酸値の減少に貢献してくれるわけです。
ちなみに日本の痛風患者を見てみると、
尿酸の排泄力の衰えている人が多いといわれています。
ですから特に後者のアンセリンの働きは、
痛風に悩む人にとっては大きな効果といわれています。
そして痛風の治療ですが、特に
発作の起きている人に対して初期治療として、
薬物療法が使われることは多いです。
尿酸値を降下させる作用のある薬を処方するのですが、
中には副作用のリスクのある種類もあります。
一方 アンセリンは、
副作用の起きる可能性の少ない成分として知られています。
そもそもマグロやカツオ、鳥類といった
動物の筋肉の中に含まれている成分です。
もともと魚のうまみ成分として認識されていた成分で、
普通の食べても問題のない成分です。
また、私たち人間の筋肉の中にも少量ではありますが
含まれている成分でもあります。
私たちの体に備わっている成分なので、
副作用を起こす心配をする必要は まず ありません。
さらにアンセリンには痛風予防の効果の他にも、
活性酸素という私たちの細胞を攻撃する物質の働きを
抑制する抗酸化作用があります。
このため、体の疲れを取り除いたり、
女性にとってうれしいアンチエイジング効果があったりします。
また、血圧降下作用もあるとみられているので、
最近一般でも注目されている
生活習慣病の予防としても使えるのではないか
と研究が進められています。
副作用がなく、しかも上で紹介したような
さまざまな効果が期待されているので、
今後 ますますサプリメントなどで
活用される成分ではないでしょうか?
ただ副作用はないものの、あまり
アンセリンの力を過信しすぎないようにすることも大事です。
たとえば痛風に関して、アンセリンだけを
毎日摂取していれば治る というわけでもありません。
あくまでも痛風治療の一端を担っているにすぎません。
もし痛風治療をしているのであれば、
アンセリンを摂取しながら
医者の指導に従って生活習慣の見直しをすることです。
食生活の見直しや適度な運動をする習慣をつけるなどして、
総合的に痛風の対策をすることが大事です。
マグロやカツオを食べて、
アンセリンを摂取することもできますが、
マグロやカツオには尿酸の元になるプリン体も
多く含まれています。
食事を通じてよりも、高濃度に配合されている
健康食品やサプリメントを使って
摂取することをお勧めします。
サプリであればプリン体を摂取することなく、
アンセリンだけを純粋に体内に吸収できるからです。
水があればどこでも摂取できるのも手軽なので魅力です。