そもそも、アンセリンとは何なのか?
アンセリンというのは、カツオやマグロなどの大型回遊魚の
筋肉に含まれるアミノ酸のことです。
で・・大海を泳ぎまくるマグロを見て、
なんでアイツらは疲れないのだろう?
・・と研究した人がいて、マグロの筋肉の中に
疲労を減らす物質(アンセリン)があることを発見したのです。
これは、すごい、と。
人間に、それもスポーツ選手なんかに
サプリメントとして製品化したら、疲労軽減、あるいは
疲労回復の助けになる画期的な商品になるのではないか、と。
そうこうしてアンセリンを長年、研究しているうちに・・・
なんと、尿酸値を下げる効果があることがわかってきたのです。
痛風に苦しむ人々は、日本だけで数百万人と言われています。
スポーツ選手、もしくはスポーツ愛好家向けに
アンセリンをスポーツサプリメントとして発売するよりも、
痛風でツライ思いをしている人のためのサプリにしたほうが
より、世の中の役に立つのではないか?
(っていうより、ぶっちゃけた話、メーカーが儲かる)
・・・というわけで、アンセリンは
痛風で苦しむ人たちのためのサプリメントとして
好んで購入されている、というわけです。
いや、ちょっと待ってください。
その言い方じゃあ、
痛風サプリメントさえ、飲んでいれば
痛風対策はバッチリ・・のように聞こえますが、
そうでもありません。
それは痛風の薬(尿酸値を下げる薬)でも同じことが言えるのですが、
痛風の薬を飲んでいるからといって、
暴飲暴食を続けていると、からだにとって良いハズがありません。
まずは生活習慣に気をつけるのが、痛風改善の基本です。
さて、アンセリンの主成分は、
イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)というもので、
この成分には、さまざまな効果・効用が報告されています。
○抗疲労効果
○活性酸素消去能
○血糖値上昇の制御
○抗炎症作用
○尿酸値降下作用
しかし、そんなにアンセリンが凄くても、
マグロやカツオの話なんでしょ?
それを人間が飲んで、人間に適用して、
人間にも効果があるの?
アンセリンを摂取することによって、
尿酸の産生を抑制する「ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ」(長い!)と、
尿酸の排泄を促進する「乳酸脱水素酵素」という、2つの酵素の発現量が増えていることが
報告されています。
つまり!
過剰な尿酸生成を抑制して、
作り過ぎてしまった尿酸の体外への排泄を促す。
っていうことは、「尿酸値を下げる」ということに。
ただね。
だからといって、
すぐにアンセリンのサプリに飛びついたりしないでください。
フェブリクやザイロリックのような、尿酸値を下げる薬のような
急激に尿酸値を下げる効果はアンセリンにはありません。
少し下がる程度は期待できますが、数値が大幅に激減することはありません。
(個人差があります)
いくらマグロやカツオに海洋パワーがあっても、
それらの筋肉から精製した技術の結晶のようなサプリでも
医薬品ではない、ということです。
少し下がる程度の期待なら、買うまでもない、と考えるか。
少しでも下がる可能性があるのなら、試しに飲んでみる、と考えるか。
それは自分が決めることです。
ただ・・フェブリクなどの痛風の薬は尿酸値が急激に下がり過ぎるので、
服用し始めは、少しずつ。
尿酸値が下がる推移を見極めながら、徐々に薬剤を増量していきます。
というのは、尿酸値が長年高い状態が続いていると、
体内の関節などに結晶化した尿酸が沈着している場合が普通なので、
尿酸値が急変すると、痛風発作を誘発してしまうのです。
痛風発作というのは、尿酸値が高くなると発症する、と
考えられガチですが、本当は、尿酸値が急激に下がっても
発症するリスクが高まるのですよ。
つまり、上であろうが、下であろうが、急変が良くない、
ということです。
その点、アンセリンは
栄養補助食品の範疇ですから、尿酸値が急変することは
まずありません。
生活習慣の改善に自分で気をつけながら、
アンセリンを飲んで尿酸値改善を試してみる、というのも
悪くないかもしれませんね。