痛風はかつて「帝王病」と呼ばれていた時代がありました。
アレキサンダー大王やミケランジェロ、ダーウィンなど
歴史上の有名な人物が苦しめられていたことから、
贅沢な生活をしていると発症すると信じられていたのです。
実際にはそのような事実はもちろんありません。
痛風は血液中の過剰な尿酸が結晶化し、
関節に溜まることで起こる生活習慣病です。
痛風の原因である尿酸を作りだすのはプリン体という物質です。
特にビールや肉類、レバーなどに多く含まれます。
ビールや発泡酒のCMで「プリン体フリー」などと
宣伝されているので、
耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、実はプリン体はDNAの合成に不可欠な物質。
人体内に存在するものはすべて何らかの役割を持っています。
むやみに排除すればよいということを念頭に置いてください。
問題は「多すぎる」こと。
プリン体で言えば
含有量の高いものを長期間に亘って摂取し続ければ、
それだけ尿酸が過剰になりやすくなるのです。
高尿酸血症は放置しておくと痛風以外にも
尿管結石や腎障害、動脈硬化などの
合併症を引き起こすこともあるので、
生活習慣の改善とともに早めに治療しましょう。
また、痛風患者の95%以上は男性です。
これは もともと
体質的に男性の方が尿酸値が高くなりやすいことに加え、
女性ホルモンに
腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるためです。
尿酸の正常値は7.0mg/dlを上限としていますが、
痛風の発作が起きるまでには
この値を超えた状態が数年間かかると言われています。
つまり、その間に改善の余地はあるということ。
ボーダーラインにある人も、
もう高尿酸血症になっているという人も
あきらめずにトライしてみましょう。
プリン体の摂取を制限することはもちろんですが、
尿酸の排出を促すために水分を意識して
多めに摂るようにしたり、
適度な運動なども心がけてください。
クエン酸は尿を弱アルカリ化する働きがあるので、
併せて摂取するとより効果が期待できるでしょう。
目安は1日2~5gくらい。
標準的なサイズのミカン1個に含まれる
クエン酸の量が約1gなので、参考にしてみてください。
クエン酸のよい点は、過剰摂取したからといって
副作用がないこと。
とはいえ人によっては腹痛などが起こる可能性もあるので、
少量ずつ、1日 数回に分けて摂るとよいでしょう。
食後のデザートを柑橘系のフルーツにする、
お弁当のごはんやおにぎりに梅干しを添えるなど、
手軽に摂取するための工夫もしてみてください。
フルーツが体によいと言われるのは
ビタミンが豊富なだけでなく、
クエン酸も摂取できるからです。
果糖に注意した上で毎日食べるようにするとよいでしょう。