2022年10月10日月曜日

コルヒチン痛風発作が起こってから

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◆ コルヒチンは痛風発作が発症してからでも効くのか?

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コルヒチンというのは、痛風発作を起こさずに

封じ込めてくれる唯一の薬です。


私も当初は、これは「神薬」じゃないか、などと

考えていたのですが、実は良い面ばかりではなく、

デメリットもあります。


で。

コルヒチンのメリット・デメリットの話の前に

コルヒチンの持つ、独特の性質・特徴から。


コルヒチンというのは、一風変わった薬です。

世の中にある、数多い薬剤の中で、痛風発作を起こさずに

(起こる前に)鎮火させてしまう薬は、コルヒチンだけです。


ですが、このコルヒチン。

個性が強いというか、特徴があるというか、

痛風発作が起こりそうな直前に飲むと、嘘のように

痛風発作を起こさせずに鎮めることが出来るのですが、

いったん、痛風発作が発症してしまうと、いくら

飲んでも何錠飲んでも、何の効果もないんです。


いわゆる「手遅れ」というヤツです。

つまり、コルヒチンは

「飲むタイミングが全て」ということ。


この「痛風発作が起こりそうな直前に飲む」というのは、

痛風の初期症状というか、はじめて

痛風発作を起こしてしまった、というような人には

ピンとこないかもしれませんが、

痛風発作は、ときとして事前にわかるのですよ。


これは「痛風の前兆」とか「痛風の予兆」とか

言われていて、自分にしかわからない感覚なのですが、

これから痛風発作が起こる患部に違和感を感じるのです。


違和感には個人差がありますが、患部がウズウズしたり、

ちくちくしたり、なんとなく・・妙な感じが。


この「痛風の予兆」が来ると、遠かれ遅かれ、

痛風発作がやって来るケースが多いです。


で・・

このタイミングでコルヒチンを飲むと、

痛風発作を未然に防げるわけですが、実は、この

「痛風の予兆」なんですけどね。


「痛風の予兆」だけで

終わってしまうこともあるのですよ。


なんだ、慌てて、コルヒチンを飲むんじゃなかったよ、

みたいな。


実際の痛風発作の発症は「痛風の予兆」の

数週間も先だったりね。


痛風発作は、毎回、その「痛さ」「回復度」など

そのたびにスケールが違うのですよ。


わからないのです。


だから、ついつい、コルヒチンを飲むのは

遅れがちになってしまいます。


で・・

実際にコルヒチンを飲むのは、患部がジワジワと

赤黒く腫れあがってきて、痛みが少しずつ増してきて

「あ! ま、間違いない! 痛風発作が来る!」

と確信してから飲むことになります。


コルヒチンを飲むのは、痛風発作が起こりかけ、

あるいは、起こる前、起こる直前・・・とにかく、

早ければ早いほど、効果があります。

っていうか、痛風発作を封じ込められます。


痛風発作が完全に発症してしまうと、

効果薄です。

まったく効かないのか、コルヒチンは

痛風発作が一旦、起こってしまうと何の効果もないのか。


飲むタイミング、飲む時期によるので、

なんとも言えない部分もありますが、

一般的には、コルヒチンは一旦、

痛風発作が発症してしまうと、

何の効果もない、と言われています。


私が昔、飲んでいたやり方は、

痛風発作が来た!

と思った段階で、とにかく、

「コルヒチンを1錠だけ飲む」。


で、2時間後に、もう一度だけ

「コルヒチンを1錠だけ飲む」。


あとは、どんなに痛くても

痛風発作が酷くなっても、

もうコルヒチンは飲まない。


飲んでもね。

意味がないんですよ。


つまり、今回の痛風発作はアウト、ということ。

本格的な痛風発作がやって来る、ということ。

「コルヒチンによる痛風発作封じ込め作戦は失敗」

ということ。


うまくいくケースは、

この「最初にコルヒチン1錠」

「2時間後にコルヒチン1錠」作戦で

うまくいきます。

痛風発作を未然に防げます。


飲むタイミングがズレたら、もう間に合わない。

効果もない。

飲み続けても意味が無い。

それがコルヒチンです。


で。

コルヒチンのメリットとデメリット。


【コルヒチンのメリット】

前述したように、痛風発作を未然に封じ込めてくれる、

世の中、唯一無二の存在。

世界で一つだけ、痛風発作を起こさせない薬。


手元に、予備のコルヒチンがあるだけで、

どんなに安心感があることか。


保険じゃないですけど、飲まなくてもいいんですよ。

いざ、となったら、伝家の宝刀じゃないですけど、

これを飲めばいいんだから、

という心のよりどころになる薬です。


【コルヒチンのデメリット】

とにかく、キツイ薬。

そりゃあ、あの激烈な痛風発作を

封じ込めてしまう薬なんですから、

甘っちょろい薬剤ではないでしょう。


副作用も強めです。

有名なのは、胃腸障害。

一番多いのは下痢。

それからムカムカ感、不快感。吐き気。


対策として、あまり知られていませんが、

コルヒチンを飲むときは「整腸剤」を一緒に飲むと

副作用の発現が少なめ、です。

覚えておけば、役に立つかも。


あとね。

コルヒチンの存在を否定するように

聞こえるかもしれませんが、コルヒチンを飲んでも、

痛風の根本的な解決にならないです。


痛風の予兆が起きました→

ああ、もうすぐ痛風発作がやってくるよ→

コルヒチンを飲みました→

腫れあがりかけていた痛風発作が消失しました→

ああ、良かった、コルヒチンさえあれば

痛風なんか大丈夫。


いえ、大丈夫じゃないんですよ。


結局ね。

尿酸値が下がらない限り、これからも

自分が気が付かないうちに、体内に尿酸結晶が

溜まり続けるのです。


この蓄積した尿酸結晶が関節などに

溜まりきれなくなって痛風発作が発症するのですが、

コルヒチンは痛風発作を未然に防いで

「先送りしているだけ」なんです。


今回は、無事に

痛風発作を起こさせないで済みましたが、

体内の尿酸結晶が

溶けてなくなったわけではないんですよ。


痛風発作が起こらなかったのは、

本当にありがたいですが、

いつかは、また、

「あの痛い痛風がやってくる」、というわけで。


毎回、まいかい、痛風発作のたびに

コルヒチンで凌いでいても、いつかは

コルヒチンですら、効かない日が絶対にやってきます。


おそらく、そのときの痛風発作の痛みは、

「人生最大級の痛み」です。


痛風発作、大爆発、という感じ。

たまりに溜まった尿酸結晶の総決算、みたいな。


コルヒチンは、痛風発作を封じ込め、

未然に防いでくれる、ありがたい薬ですが、

やはり、根本的な解決にはならないので、

フェブリクなどの尿酸値を下げる薬を飲んで、

尿酸値を下げることが肝要になってきます。


・・・・・・・・。


とは、言ってもね。

痛風発作を封じてくれる薬なんか、他に 

ないわけですから。


飲む飲まないは別にして、部屋に

コルヒチンをストックしておくと、

本当に心強いかも。


痛風改善の基本は「生活習慣の改善」ですが、

なかなかねえ・・・生活習慣だけでは

尿酸値は下がりにくいのですよ。


実際、やってみると実感すると思いますが、

痛風の場合、

生まれつきの体質の要素が大きいですから。


生まれつき、尿酸を作り過ぎる体質とか。

生まれつき、尿酸の排泄が弱い体質とか。

あるいは、その両方を兼ね備えた体質とか。


一昔前は、痛風といえば、厳しい食事制限

(プリン体の多い食品を徹底制限する) が主流でしたが、

なかなか何十年も続きませんし、今の痛風治療では、

フェブリクやザイロリックなどの尿酸降下薬で

尿酸値をコントロールする、というのが

主流になっています。


それにフェブリクを継続的に飲んでいたら、

コルヒチンも必要ないかもしれませんね。


フェブリクの飲み始め

(2ヶ月~半年くらい。個人差あり)の頃は、

痛風発作が出るかもしれませんが

(長年の蓄積した尿酸結晶が体内にあるので)

それ以降は、尿酸値が低い水準で維持できるので、

痛風発作が、もう起こらなくなるから。


(でも、だからといって、ビール飲み放題、

焼肉食べ放題、とか無茶しちゃ駄目ですよ)


コルヒチンは処方薬ですので、一般に薬局では

市販されていません。


私は病院でコルヒチンを処方してもらっていましたが、

近年では、コルヒチンを

処方してくれない病院もあるそうですね。


たしかに、コルヒチンを飲んでも

尿酸値は下がりませんから。


でも、痛風発作の痛みがどれほどのものか、

経験的に知っている人にとっては、やはり

コルヒチンはありがたい存在だと思ったりもします。


入手困難になりつつあるコルヒチンですが、

海外製造のコルヒチンなら、

通販で購入することもできます。


ですが、日本在住ならば

やっぱり病院へ行って医師に相談するのが

一番でしょうね。