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◆ 痛風 プリン体
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痛風の原因となるのは、尿酸ですが、
その尿酸の原材料というか、尿酸が作られる元、
となるのが「プリン体」です。
このプリン体というのは、有名ですよね。
長年、痛風といえば、プリン体に気をつけろ!
と言われ続けてきました。
一昔前まで、痛風の人といえば食事療法が基本で、
「プリン体の多い食品一覧」を見ながら、
プリン体を多く含む食品を
なるべく食べないように気をつけたり、
プリン体を多く含む食品を我慢し過ぎて、
逆にストレスが高まって、
反動でドカ食いをしてしまったり(だめ、でしょ)。
また、「プリン体の少ない食品一覧」を参考にしながら
献立を考えても、はじめのうちは、
その通りの食事を食べていても、
だんだん物足らなくなってきて、気が付いたら、
プリン体の多い食品ばかりの献立になっていたり。
(それがまた、おいしいのです)
ところがね。
「プリン体=食事」と考えられてきましたが、近年は
少し様子が変わってきています。
つまり・・
プリン体がつくられるのは、
食事だけが全てじゃない、ってことが
明らかになってきたのです。
じゃあ、どういうことなのでしょうか。
プリン体がつくられるのは、食事から・・というのは、
3種類ある、プリン体の製造工程の1種類に過ぎない、
ということ。
で、その3種類とは・・
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【1種類目】
食事を食べる。
すると、体内で食事が分解されて、プリン体になる。
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【2種類目】
細胞は日々、新陳代謝を繰り返す。
細胞は壊れては、新しく作られて・・の繰り返し。
細胞は壊れるときに、プリン体(老廃物)を出す。
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【3種類目】
体内にある栄養分を体が使う。
どういうことかというと、体内にある栄養分を
体が、体を動かすためのエネルギーにする。
栄養分のままでは、体を動かすエネルギーにはならないので、
体は、栄養分をエネルギーに変換するのです。
この、エネルギー変換(エネルギー代謝)の過程で、
栄養分をエネルギーに換えるとき、
プリン体ができてしまいます。
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・・と、こんな感じです。
今まで、痛風といえば、プリン体の多い食べ過ぎが原因。
まさしく、贅沢病だ!
・・・なんて言われていたのですが、
プリン体の多い食事の食べ過ぎは、
3種類あるプリン体の製造種類のうちの、
ほんの一つに過ぎなかったのですね。
2種類目の「細胞の新陳代謝」や
3種類目の「エネルギー変換」なんて、
体の中のことなので、自分の意識や努力では、
どうにもならないです。
痛風になる人は、生まれつき、
そういう体質なのです。
どういう体質かと言うと、上記のような理由で
生まれつき、尿酸を作り出しやすい体質、もしくは
尿酸の排泄が上手くいかない体質。
こりゃあ、まあ、
自助努力ではどうにもなりませんね。
だからといって、やけになって、
ええい、プリン体の多い食品の食べ過ぎなんか、
関係ないんだ!
じゃんじゃん食べるぞ!
・・・と、プリン体の多い食品をばんばん食べていたら、
やはり尿酸値は上がってしまうでしょう。
プリン体は体内の方が多く作られますが、
だからといって、食事が関係ないわけでもないですからね。
現在の痛風治療法、痛風改善法の主流は、
あまり厳しく食事制限はしないで、そのかわり、
尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)を飲み続けて、
尿酸値を低い水準で安定させる(尿酸値 6.0mg/dl程度)、
というものです。
痛風の薬、尿酸値を下げる薬といえば、かつては
ザイロリックが主流でしたが、現在では
痛風新薬のフェブリク(フェブキソスタット)が
だんだん主流になりつつあります。